2025年菊花賞の出走条件|決定した出走馬と枠順

2025年菊花賞の出走条件|決定した出走馬と枠順
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クラシック三冠の最終戦、菊花賞出走馬 決定プロセスが完了し、明日のレース(2025年10月26日)を待つばかりとなりました。3歳馬にとって未知の距離(3000m)で行われるこのレースの出走条件について、詳しく知りたい方も多いのではないでしょうか。

菊花賞への出走には、トライアルでの好成績による優先出走権の獲得や、出走決定賞金 とは何かという基準の理解が不可欠です。2025 ボーダーラインはどうなったのか、出走頭数(最大18頭)はどのように決まったのでしょう。

この記事では、開催場所(京都競馬場)や賞金牝馬 なぜ少ないのかといった基本情報から、確定した出走馬リストまで、菊花賞の出走条件を徹底解説します。

この記事でわかること

  • 菊花賞に出走するための基本的なルール
  • 優先出走権やトライアルレースの仕組み
  • 出走馬が決まる流れと収得賞金の基準
  • 2025年に決定した出走馬の枠順とボーダー結果
目次

菊花賞の出走条件とは?基本ルールを解説

  • 出走頭数は最大18頭
  • 優先出走権を獲得する方法
  • トライアルレースの結果と対象馬
  • 出走決定賞金とは?仕組みを解説
  • 菊花賞の賞金はいくら?

出走頭数は最大18頭

菊花賞に出走できる馬の数(結論)は、最大で18頭です。

これはJRA(日本中央競馬会)が定めるGIレースの出走可能頭数に基づいています。ただし、施行される競馬場によって最大頭数は変動する場合があります。

例えば、2021年と2022年は、京都競馬場の整備工事に伴い阪神競馬場で開催されました。阪神競馬場芝内回り3000mのコースでは18頭立てが可能であったため、頭数の変更はありませんでした。

2025年も例年通り京都競馬場での開催となり、フルゲート18頭でレースが行われます。18頭を超える出走登録があった場合は、後述する優先出走権や収得賞金によって出走できる馬が選ばれます。

優先出走権を獲得する方法

菊花賞への出走権を最も確実に手に入れる方法は、優先出走権を獲得することです。

優先出走権を持つ馬は、他の馬(収得賞金順で選ばれる馬)よりも優先的に出走枠が割り当てられます。

トライアルレースによる優先出走権

菊花賞には「セントライト記念(GII・中山・芝2200m)」と「神戸新聞杯(GII・阪神・芝2400m)」という2つの主要なトライアルレースが設定されています。

これらのレースで3着以内に入った馬(合計6頭)に、菊花賞への優先出走権が与えられます。

他のクラシックレース実績による優先出走権

地方競馬所属馬に限定されますが、皐月賞、東京優駿(日本ダービー)、優駿牝馬(オークス)で1着となった馬や、特定のレースで2着以内に入った馬にも優先出走が認められる場合があります。

外国調教馬の出走

2010年からは国際競走に指定されており、外国調教馬も出走が可能です。外国調教馬は収得賞金に関わらず優先的に出走できます(最大9頭まで)。

トライアルレースの結果と対象馬

2025年の菊花賞に向けて、前述の通り2つのトライアルレースが9月に行われました。これらのレース結果により、以下の馬たちが優先出走権を手にしています。

2025年 菊花賞トライアルレース結果(優先出走権獲得馬)

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レース名開催日競馬場・距離1着2着3着
セントライト記念2025年9月15日GII中山・芝2200mミュージアムマイルヤマニンブークリエレッドバンデ
神戸新聞杯2025年9月21日GII阪神・芝2400mエリキングショウヘイジョバンニ

なお、セントライト記念の1着馬ミュージアムマイル(皐月賞馬)は、菊花賞には登録せず、天皇賞(秋)へ向かうローテーションを選択しました。

したがって、2025年の菊花賞には、上記のトライアルレースから合計5頭(ヤマニンブークリエ、レッドバンデ、エリキング、ショウヘイ、ジョバンニ)が優先出走権を持って駒を進めてきました。

出走決定賞金とは?仕組みを解説

優先出走権を持たない馬が菊花賞に出走するためには、「出走決定賞金(収得賞金)」の順位が重要になります。

18頭の出走枠から優先出走馬(2025年は5頭)を除いた残りの枠(2025年は13枠)を、この収得賞金が多い順に割り当てるためです。

収得賞金とは?

収得賞金は、JRAのレースで獲得した本賞金(1着から5着までに支払われる賞金)を基に計算される、クラス分けや重賞への出走馬決定に使われる特殊な賞金額です。

基本的な計算方法は以下の通りです。

  • 新馬・未勝利戦で1着になると400万円が加算されます。
  • 1勝クラス(旧500万下)以上のレースで1着になると、そのレースの1着本賞金の半額が加算されます。
  • 重賞レースでは2着までの馬にも、2着本賞金の半額が加算されます。

注意点として、GII・GIIIの3着以下の賞金や、GIの3着以下の賞金(ただし皐月賞・ダービー・菊花賞の3着は除く)、特別競走の3着以下の賞金は、収得賞金には加算されません。

抽選について

もし、残りの出走枠の最後の1枠(ボーダーライン上)に、同額の収得賞金を持つ馬が複数いた場合は、抽選によって出走馬が決定されます。

菊花賞の賞金はいくら?

菊花賞はGIレースの中でも特に高額な賞金が設定されています。

2024年(第85回)および2025年(第86回)の1着本賞金は2億円です。賞金(本賞金)は5着までの馬に支払われます。

表: 菊花賞 賞金(2025年)

着順本賞金
1着200,000,000円
2着80,000,000円
3着50,000,000円
4着30,000,000円
5着20,000,000円

このように、クラシック三冠の最終戦にふさわしい高額な賞金が用意されており、これがレースの価値とステータスをさらに高めています。

2025年の菊花賞出走条件とレース情報

  • 菊花賞の距離は芝3000m
  • 開催場所は京都競馬場
  • 菊花賞に牝馬が少ないのはなぜ?
  • 2025年の出走馬決定プロセス
  • 2025年のボーダーライン予想
  • 菊花賞の出走条件まとめ

菊花賞の距離は芝3000m

菊花賞の最大の特徴は、芝3000mという長距離で施行される点です。

これは3歳馬にとって、ほとんどの馬が経験したことのない未知の距離となります。皐月賞(2000m)や日本ダービー(2400m)と比較しても、その長さは際立っています。

なぜ3000mなのか?

菊花賞は、イギリスのクラシックレースである「セントレジャー(約2921m)」をモデルに創設されました。セントレジャーは、クラシック三冠の中で最も長い距離で行われるレースです。

日本の菊花賞もこの伝統を受け継ぎ、3歳馬のスピードだけでなく、スタミナと底力を問うレースとして、第1回(1938年)から変わらず3000mの距離が採用されています。

この長丁場を克服するためには、単に速く走れる能力だけではなく、レース中の折り合い(騎手の指示に従いリラックスして走ること)や、2度の坂越え(京都競馬場)にも耐えうるスタミナが求められます。

開催場所は京都競馬場

菊花賞は、原則として京都競馬場で開催されます。

1938年の創設以来、京都競馬場(芝・外回り3000m)が伝統の舞台となってきました。

京都競馬場 芝3000m(外回り)の特徴

京都競馬場の芝3000mコースは、外回りコースを1周半するレイアウトです。

最大の特徴は、3コーナー付近にある「淀の坂」と呼ばれる高低差4.3mの上り坂と下り坂を、2回通過しなければならない点です。

1周目のスタンド前を通過した後、1コーナーから2コーナーへ。向こう正面を走り、1回目の坂を上り下りします。そして、再びスタンド前を通過し、勝負どころとなる2周目の3コーナーで2回目の坂を迎えます。

このタフなコース設定が、菊花賞を「最も強い馬が勝つ」と言わしめる理由の一つです。

例外的な開催

前述の通り、京都競馬場の整備工事期間中であった1979年、2021年、2022年の3回は、阪神競馬場で代替開催されました。2025年は、リニューアルされた京都競馬場で3年ぶりに開催されます。

菊花賞に牝馬が少ないのはなぜ?

菊花賞の出走条件は「3歳牡馬・牝馬」となっており、規約上は牝馬(ひんば・メスの馬)も出走可能です。

しかし、実際にはほとんどの牝馬が菊花賞に出走することはありません。その理由として、主に2つの点が挙げられます。

1. 牝馬限定のクラシックレースの存在

牝馬には、「桜花賞」「優駿牝馬(オークス)」そして秋に「秋華賞(G1・京都・芝2000m)」という、牝馬三冠と呼ばれる専用のクラシック路線が整備されています。

秋華賞は菊花賞と開催時期が近く(例年10月)、多くの有力牝馬はこちらを選択します。

2. 距離適性と負担の問題

一般的に、牝馬は牡馬(オスの馬)に比べてスタミナ面で劣るとされる傾向があり、3000mという長距離レースは牝馬にとって非常に過酷な条件です。

過去、菊花賞に出走した牝馬は存在し、1943年にはクリフジ、1947年にはブラウニーという2頭の牝馬が優勝していますが、これは牝馬三冠路線が確立される前の時代の記録です。近年(グレード制導入以降)では、2021年にディヴァインラヴが挑戦し3着と健闘しましたが、出走自体が稀なケースとなっています。

2025年の出走馬決定プロセス

2025年10月26日に開催される第86回菊花賞の出走馬18頭が正式に決定しました。

今年の菊花賞には20頭の登録があり、フルゲート18頭の枠をめぐって出走馬の選定が行われました。

まず、トライアルレースで優先出走権を獲得した以下の5頭が出走を確定させています。

  • エリキング(神戸新聞杯1着)
  • ショウヘイ(神戸新聞杯2着)
  • ジョバンニ(神戸新聞杯3着)
  • ヤマニンブークリエ(セントライト記念2着)
  • レッドバンデ(セントライト記念3着)

次に、残りの13枠を、優先出走権のない馬たちの「収得賞金」順で決定しました。収得賞金1500万円以上の馬(エネルジコ、エキサイトバイオ、ゲルチュタール、ジーティーアダマン、ライトトラック、アマキヒ、マイユニバース、ミラージュナイト、レクスノヴァス)が出走可能となりました。

そして、最後の4枠はボーダーライン上の抽選(後述)によって決定されています。

最終的に確定した2025年菊花賞の出走馬と枠順は以下の通りです。

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馬番馬名性齢斤量騎手調教師
11コーチェラバレー牡357.0西村 淳也安田 翔伍(栗東)
12アマキヒ牡357.0戸崎 圭太国枝 栄(美浦)
23ライトトラック牡357.0和田 竜二友道 康夫(栗東)
24ヤマニンブークリエ牡357.0横山 典弘松永 幹夫(栗東)
35ジョバンニ牡357.0松山 弘平杉山 晴紀(栗東)
36ミラージュナイト牡357.0藤岡 佑介辻野 泰之(栗東)
47ショウヘイ牡357.0岩田 望来友道 康夫(栗東)
48レクスノヴァス牡357.0横山 和生上村 洋行(栗東)
59エネルジコ牡357.0C.ルメール高柳 瑞樹(美浦)
510ジーティーアダマン牡357.0北村 友一上村 洋行(栗東)
611マイユニバース牡357.0武 豊武 幸四郎(栗東)
612ゲルチュタール牡357.0坂井 瑠星杉山 晴紀(栗東)
713アロンディ牡357.0団野 大成武 英智(栗東)
714エキサイトバイオ牡357.0荻野 極今野 貞一(栗東)
715エリキング牡357.0川田 将雅中内田 充正(栗東)
816ラーシャローム牡357.0岩田 康誠奥村 武(美浦)
817レイヤードレッド牡357.0嶋田 純次手塚 貴久(美浦)
818レッドバンデ牡357.0佐々木 大輔大竹 正博(美浦)

(情報は2025年10月23日の枠順確定時点)

2025年のボーダーライン予想

2025年の菊花賞では、ボーダーラインをめぐる抽選が行われました。

事前の予想通り、収得賞金1500万円以上の馬までは出走が確定しましたが、残りの枠は収得賞金900万円の馬たちによって争われることになりました。

具体的には、収得賞金900万円で登録していたアロンディ、エコロディノス、キングスコール、コーチェラバレー、ラーシャローム、レイヤードレッドの6頭が対象です。

この6頭によって、残された4枠をめぐる抽選が実施されました。

抽選の結果、アロンディ、コーチェラバレー、ラーシャローム、レイヤードレッドの4頭が当選し、出走権を獲得しました。一方で、エコロディノスとキングスコールの2頭は非当選(除外)となりました。

このため、2025年の菊花賞の出走ボーダーラインは「収得賞金900万円(6分の4抽選)」が最終的な結果となっています。

菊花賞の出走条件まとめ

最後に、菊花賞の出走条件に関する重要なポイントをまとめます。

  • 菊花賞に出走できるのは3歳の牡馬と牝馬のみ
  • せん馬(去勢された馬)は出走できない
  • フルゲートは最大18頭
  • 出走馬の決定には優先順位がある
  • 最優先は外国調教馬(最大9頭)
  • 次に優先されるのは優先出走権を持つ馬
  • 優先出走権はトライアルレースの3着以内で得られる
  • トライアルは「セントライト記念(GII)」
  • トライアルは「神戸新聞杯(GII)」
  • 優先出走馬を除いた残りの枠を収得賞金順で決定する
  • 収得賞金はレースの着順(主に重賞2着以内、オープン競走1着)で加算される
  • ボーダーライン上で収得金が並んだ場合は抽選となる
  • 開催場所は原則として京都競馬場
  • レース距離は芝3000m
  • 1着賞金は2億円(2025年時点)
  • 2025年のボーダーラインは収得賞金900万円(6分の4抽選)
  • 2025年の出走馬18頭と枠順が確定済み
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