エイシンディードの次走は京王杯2歳Sか?血統や適性を徹底分析

エイシンディードの次走は京王杯2歳Sか?血統や適性を徹底分析
出典:netkeiba(https://db.netkeiba.com/photo/list.html?id=2023105505)

2025年の2歳馬戦線の幕開けを告げる函館2歳ステークスで、競馬ファンをあっと言わせる衝撃の逃げ切り勝ちを収めたエイシンディード。9番人気という低評価を覆し、地方からの快挙を成し遂げたその走りは、多くの人々の記憶に新しいことでしょう。

JRA初出走、しかも初の芝挑戦という厳しい条件をものともせず、世代最初の重賞タイトルを手にしたことで、一躍クラシック戦線の有力候補に名乗りを上げました。

この記事では、そんなエイシンディードの気になる次走予定について、過去のデータや関係者の動向から徹底考察します。最有力候補とされる京王杯2歳Sへの展望はもちろん、圧巻のパフォーマンスを見せた函館2歳S 回顧を通じて、ベールに包まれた強さの秘密を探ります。

さらに、父ファインニードル、母父キングカメハメハという血統評価や、これまでの戦績から導き出す適性分析、そして勝利に導いた騎手の手腕やレース展開から見えた勝利の要因まで、多角的に解説。POGファンにとっても見逃せない、エイシンディードの現在と未来を紐解いていきます。

この記事で分かること

  • エイシンディードの次走予定と有力候補レース
  • 函館2歳Sの勝因とレース内容の詳細
  • 血統や戦績から分析する今後の可能性
  • POG戦略におけるエイシンディードの評価
目次

エイシンディードの次走は京王杯2歳Sが最有力

  • エイシンディードの次走予定
  • 有力候補の京王杯2歳Sとは
  • 衝撃の函館2歳S 回顧
  • 地方からの快挙となった一戦
  • 勝利に導いた騎手の手腕
  • ラップから見る勝利の要因

エイシンディードの次走予定

2025年10月12日現在、エイシンディードの次走は正式には発表されていません。

しかし、複数の競馬メディアや過去のローテーション傾向から、次走の最有力候補として**2025年11月8日(土)に東京競馬場で行われる「京王杯2歳ステークス(GII)」**が挙げられています。

その理由として、函館2歳ステークスを勝利した2歳牡馬が、その後のステップとして京王杯2歳ステークスを選択するケースが多いことが考えられます。函館の芝1200mから、府中(東京競馬場)の芝1400mへと舞台を移すこのローテーションは、2歳G1の最高峰である「朝日杯フューチュリティステークス(GI)」を見据える上で、王道の一つとされています。

netkeibaのデータベースにおいても、次走想定として京王杯2歳ステークスが記載されており、陣営がこのレースを視野に入れている可能性は非常に高いでしょう。今後、まずは放牧でレースの疲れを癒し、秋のG1シーズンに向けて調整が進められていくものと見られます。正式な発表があり次第、情報は更新されますが、現段階では京王杯2歳ステークスへの出走を念頭に置いておくと良さそうです。

有力候補の京王杯2歳Sとは

エイシンディードの次走として有力視されている「京王杯2歳ステークス」は、2歳馬にとって非常に重要な意味を持つ重賞レースです。

レースの概要

  • 格付け: GII
  • 開催日: 2025年11月8日(土)
  • 競馬場: 東京競馬場
  • 距離: 芝1400m

このレースは、2歳チャンピオン決定戦である**「朝日杯フューチュリティステークス(GI・阪神芝1600m)」の前哨戦**として位置づけられています。1400mという距離設定は、スプリント路線で活躍してきた馬がマイル戦線へ挑戦するための試金石となるほか、生粋のマイラーがG1に向けて弾みをつける場ともなります。

東京競馬場の芝1400mは、スタートから最初のコーナーまで距離があり、最後の直線も長いという特徴があります。そのため、単なるスピードだけでなく、レース中盤の立ち回りや最後の瞬発力など、総合的な能力が問われるコースです。

過去にはこのレースをステップに多くの名馬が羽ばたいており、2歳戦線の勢力図を占う上で、決して見逃すことのできない一戦と言えます。エイシンディードがここに出走し、どのような走りを見せるのかは、今後の彼のキャリアを占う上で大きな試金石となるでしょう。

衝撃の函館2歳S 回顧

エイシンディードがその名を全国に轟かせたのが、2025年7月20日に行われた第57回函館2歳ステークス(GIII)です。このレースは、まさに衝撃的な内容でした。

単勝オッズ48.7倍の9番人気という評価は、JRAでの実績がない地方からの転厩初戦、そして未知数であった芝への適性を考えれば、ある意味で当然だったのかもしれません。しかし、エイシンディードはこの下馬評をゲートが開いた瞬間に覆します。

抜群のスタートから楽にハナを奪うと、道中は鞍上のR.キング騎手が絶妙にペースをコントロール。後続に脚を使わせることなく、マイペースの逃げに持ち込みました。そして、勝負どころの4コーナーを回って直線に入ると、後続との差をさらに広げる二の脚を発揮。最後までその脚色は衰えることなく、2着の1番人気ブラックチャリスに2馬身差をつける圧勝劇を演じたのです。

勝ちタイムの1分8秒4は、同日の古馬のレースと比較しても遜色のない優秀な時計でした。また、自身が逃げながら記録した上がり3ハロン(最後の600m)のタイム34.1秒は、出走メンバーの中で最速タイであり、この馬の非凡なスピード能力と持続力を証明するものとなりました。レース後のコメントでキング騎手が「非常にいいスタートを切って、そのまま逃げることができました」と語った通り、まさに人馬一体となった完璧なレース運びが、この圧巻の勝利を生み出したのです。

地方からの快挙となった一戦

エイシンディードの函館2歳ステークス制覇は、単なる波乱の重賞勝利にとどまらない、歴史的な意味を持つ快挙でした。

彼はキャリアのスタートを、中央競馬(JRA)ではなく地方競馬のホッカイドウ競馬(門別競馬場)で切りました。そこで2戦を経験し、2戦目でJRA認定競走を勝利したことで、JRAへの移籍資格を獲得。栗東トレーニングセンターの大久保龍志厩舎へ転厩し、その初戦としてこの大舞台に挑んだのです。

競馬の世界では、地方競馬から中央競馬へ移籍して活躍する馬は数多く存在しますが、「地方から移籍した初戦」で、しかも「JRAのレース自体が初出走」という馬が重賞を制覇するのは極めて稀です。

netkeibaのX(旧Twitter)の投稿によると、この記録は1988年の京成杯3歳ステークス(現在の京王杯2歳ステークスとは異なるレース)を勝ったドクタースパート以来、実に37年ぶりの出来事でした。

この事実からも、エイシンディードが成し遂げたことの価値の高さがうかがえます。厳しい環境で知られるホッカイドウ競馬の2歳戦で揉まれた経験が、中央の強豪相手にも臆することのない精神力と完成度の高さを育んだのかもしれません。まさに、地方競馬のレベルの高さを証明する、価値ある勝利だったと言えるでしょう。

勝利に導いた騎手の手腕

エイシンディードの歴史的快挙を語る上で、鞍上を務めたレイチェル・キング騎手の存在を欠かすことはできません。オーストラリアを拠点に活躍する彼女は、短期免許を利用して来日しており、その週からJRAでの騎乗を再開したばかりでした。

キング騎手の最大の持ち味は、その卓越したスタート技術と、馬の能力を最大限に引き出す積極的なレース運びにあります。函館2歳ステークスでも、その手腕はいかんなく発揮されました。

レース後のコメントで「事前のレースプランは特になかったです。2歳のレースでは馬の経験もそこまでないし、何が起きるか分からないので、フレキシブルな考え方で競馬しました」と語っているように、彼女は固定観念にとらわれず、ゲートが開いてからの馬の感触を最も大切にしています。

エイシンディードが好スタートを切った瞬間、迷わずハナを主張。道中で一度息を入れるクレバーさも見せ、直線では馬の能力を信じて力強く追い出しました。この一連の騎乗は、競馬評論家の柴田政人氏が「もはや女性騎手どうこう言うのが失礼なほど技術にたけている」と絶賛するほど完璧なものでした。

大久保龍志調教師も「キング姐さんがうまかったです」と、その手腕を最大限に評価しています。馬のポテンシャルと騎手の技術が見事に融合した結果が、この歴史的な勝利に繋がったことは間違いありません。

ラップから見る勝利の要因

エイシンディードの函館2歳ステークスにおける勝利は、単なる幸運や展開利だけでは説明できない、確かな能力に裏打ちされたものでした。それを客観的に証明するのが、レースのラップタイムです。

函館2歳ステークスのラップタイム(200mごと)

区間タイム
0-200m12.1秒
200-400m11.1秒
400-600m11.1秒
600-800m11.5秒
800-1000m11.2秒
1000-1200m11.4秒

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このレースで注目すべき点は、中盤の600mから800mの区間で11.5秒と、わずかにペースが落ちていることです。これは、鞍上のR.キング騎手が巧みに息を入れたことを示しています。ここで生まれた一瞬の「タメ」が、最後の直線での再加速に繋がりました。

前半600mを34.3秒という速いペースで入りながら、後半の600mを34.1秒でまとめている点は驚異的です。通常、逃げ馬は後半にペースが落ちるものですが、エイシンディードはむしろ後半の方が速いラップを刻んでいます。

この**「逃げてメンバー中最速クラスの上がりを使う」**というレース内容は、着差以上に強い勝ち方であったことを物語っています。抜群のゲートセンスと二の脚、そして息を入れてもう一度伸びる持続力。これらの要素が組み合わさったことが、他馬を寄せ付けない圧勝劇の最大の要因と言えるでしょう。

エイシンディードの次走を占うデータと将来性

  • デビューからの全戦績
  • 血統評価と配合の妙
  • 距離とコースの適性分析
  • POGでの指名価値は?
  • まとめ:エイシンディードの次走から目が離せない

デビューからの全戦績

エイシンディードのこれまでのキャリアは、地方競馬での下積みと、中央競馬での華々しい飛躍という対照的な道のりを歩んでいます。彼の強さの根源を理解するために、デビューからの全3戦を振り返ってみましょう。

スクロールできます
日付競馬場レース名距離馬場頭数人気着順騎手タイム
2025/05/29門別JRA認定フレッシュダ1000m922黒澤愛斗1:03.7
2025/06/18門別JRA認定アタックダ1000m1251落合玄太1:02.3
2025/07/20函館函館2歳S(GIII)芝1200m1291R.キング1:08.4

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デビュー戦は惜しくも2着に敗れましたが、続く2戦目でしっかりと勝ち上がり、JRAへの切符を手にしました。門別競馬場では2戦ともダート1000mを使われており、ここでのスピード競馬の経験が、函館の芝1200mという舞台で活きたことは想像に難くありません。

特筆すべきは、環境の変化への対応力です。地方から中央への移籍、ダートから芝へのコース替わり、そして初めての長距離輸送と、2歳馬にとっては厳しい条件が重なりましたが、それらを全く苦にすることなく最高の結果を出しました。この精神的な強さと適応能力の高さは、今後のキャリアにおいても大きな武器となるはずです。

血統評価と配合の妙

エイシンディードの秘められたポテンシャルの源泉は、その血統背景に隠されています。彼の血統構成を紐解くことで、函館での激走が決してフロックではなかったことが理解できます。

父:ファインニードル

父のファインニードルは、現役時代に日本のスプリントG1である「高松宮記念」と「スプリンターズステークス」を春秋連覇した、日本を代表する快速馬です。そのスピード能力は産駒にも確実に受け継がれており、エイシンディードの抜群のゲートセンスや二の脚の速さは、まさに父譲りのものと言えるでしょう。

母父:キングカメハメハ

一方で、母の父であるキングカメハメハの存在が、エイシンディードにスプリンターの枠に収まらない可能性を与えています。キングカメハメハは日本ダービーとNHKマイルカップを制した名馬であり、種牡馬としても芝・ダート、距離を問わず数多くの活躍馬を輩出してきました。彼の血が入ることで、スピードだけでなく、パワーやレースへの対応力、そして芝コースへの適性が補強されていると考えられます。

実際に、函館2歳ステークス前には、競馬ファンの間で「父はスプリンターだが、母父キングカメハメハなら芝もこなせるのでは」という見方もされており、血統に明るいファンにとっては魅力的な穴馬でした。

母系:エイシンルーデンス

さらに母系を遡ると、祖母(母の母)には1999年のチューリップ賞(GIII)を制したエイシンルーデンスがいます。この血脈もまた、エイシンディードの芝適性や競走能力を支える重要な要素です。

このように、「スプリント能力に優れた父」と「万能性と芝適性を伝える母父」、そして**「実績ある母系の血」**という3つの要素が見事に融合したことで、エイシンディードという非凡な才能が生まれたと言えます。

距離とコースの適性分析

函館2歳ステークスで見せた圧巻のパフォーマンスから、エイシンディードの今後の適性について考察します。

距離適性

現時点での実績は1200mに集中しており、スプリンターとしての高い資質を示していることは間違いありません。父ファインニードルの血を考えれば、短距離路線が主戦場となる可能性は高いです。

しかし、前述の通り、母父にキングカメハメハを擁している点は大きなポイントです。この血統背景から、1400m、さらには1600m(マイル)までなら十分にこなせるとの見方が多くあります。実際に、次走の有力候補である京王杯2歳ステークスは1400m、その先の朝日杯フューチュリティステークスは1600mです。陣営がこれらのレースを視野に入れているとすれば、マイルまでの距離延長には自信を持っている証拠とも考えられます。今後の調教やレース内容で、距離適性の幅が明らかになっていくでしょう。

コース適性

コースに関しては、まだ未知数な部分が多いのが現状です。

  • 馬場: 函館競馬場の洋芝で見事な走りを見せました。一般的にパワーが要求される洋芝をこなせたことは、馬体の強さを示しています。今後の課題は、東京や阪神、中山といった本州の競馬場で主流となる野芝への対応です。スピードの乗りが違う野芝でも同じようなパフォーマンスを発揮できるかが、一流馬への道を歩む上での鍵となります。
  • 展開: 函館2歳ステークスでは、持ち前のスピードを活かした逃げ切り勝ちを収めました。今後もこの逃げ・先行策が彼の基本スタイルとなるでしょう。ただし、東京競馬場のような長い直線を持つコースでは、目標にされやすいというデメリットもあります。控える競馬を試すのか、それとも自分のスタイルを貫き通すのか、陣営の判断と騎手の腕の見せ所です。

POGでの指名価値は?

POG(ペーパーオーナーゲーム)とは、仮想馬主として競走馬を指名し、その馬が稼いだ賞金に応じてポイントを競うゲームです。POGファンにとって、エイシンディードは非常に興味深い存在と言えます。

既に大きなアドバンテージ

最大の魅力は、2歳シーズンの早い段階で重賞を制し、既に3,000万円以上の賞金を獲得している点です。これはPOGにおいて非常に大きなアドバンテージとなります。多くの馬がまだデビューすらしていない夏にこれだけの賞金を稼いでくれる馬は、まさに「孝行馬」と言えるでしょう。

ウマニティが発表した2025年9月7日時点での2歳馬賞金ランキングでは、エイシンディードは3,100万円で4位にランクインしており、その価値の高さがうかがえます。

今後の期待値と懸念点

懸念点としては、彼のキャリアが地方競馬からスタートしたため、ドラフト会議が行われる春の時点ではほとんどのPOG参加者がノーマークだった可能性が高いことです。そのため、既に指名しているプレイヤーは少ないかもしれません。

しかし、もしゲームのルールでシーズン途中の追加指名が可能であれば、指名を検討する価値は極めて高いです。今後の目標とされる京王杯2歳ステークス(GII)や朝日杯フューチュリティステークス(GI)は、いずれも高額な賞金が設定されています。これらのレースで上位に入るようなことがあれば、POGのランキングを一気に駆け上がる原動力となるでしょう。

短距離路線での確実な賞金加算が見込める一方、マイル路線への挑戦という夢も持てるエイシンディードは、POG戦略において非常に面白い存在です。

まとめ:エイシンディードの次走から目が離せない

この記事では、2歳新星エイシンディードの次走予定から、その強さの秘密、そして未来の可能性までを徹底的に解説しました。最後に、重要なポイントを改めてまとめます。

  • エイシンディードの次走は京王杯2歳Sが有力
  • 現時点での公式発表はまだない
  • 函館2歳Sを9番人気で制した
  • 地方・門別からの転厩初戦での勝利だった
  • JRA初出走での重賞制覇は37年ぶりの快挙
  • 鞍上はR.キング騎手
  • スタートから先手を奪う逃げ切り勝ち
  • 勝ちタイムは1:08.4
  • 父はスプリンターのファインニードル
  • 母父はキングカメハメハで芝適性があった
  • 祖母は重賞馬エイシンルーデンス
  • 現在の通算成績は3戦2勝
  • 距離は1200mで実績があるがマイルへの延長も期待される
  • POGでは既に高額賞金を獲得している孝行馬
  • 今後の成長と活躍に大きな期待が寄せられている
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