2025年11月14日、7人組ガールズグループ・HANA(ハナ)の「第76回NHK紅白歌合戦」への初出場が正式に発表されました。2025年4月のメジャーデビューから、わずか7ヶ月という異例のスピードでの快挙です。
この選出に、驚きとともに関心を持っている方も多いのではないでしょうか。
彼女たちの紅白出場は、単なる人気や運だけでは説明ができません。そこには、圧倒的なチャート完全制覇を成し遂げたROSE現象という確かな実績があります。そして、その成功の根底には、オーディションである**「No No Girls」という原点**が存在します。
メンバーそれぞれが抱える雪辱の物語、プロデューサーであるちゃんみなとの深い師弟関係、そして二組揃っての奇跡の同時出場という感動的なドラマも、大きな話題となりました。
さらに、データ上の成功だけでなく、年間を通じたNHKへの貢献、特に音楽番組**「Venue101」出演実績や、Forbes JAPAN 30 UNDER 30に選ばれるなど、極めて高い業界の評価**も無視できない要素です。
まさに2025年の顔となったHANA。この記事では、彼女たちが紅白の舞台に立つに至った必然的な理由を、3つの主要な側面に分けて詳しく解説していきます。
この記事でわかること
- HANAが紅白に選ばれた3つの主要な理由
- デビュー曲「ROSE」が達成した圧倒的な商業的成功
- オーディション「No No Girls」が持つ感動的な物語性
- NHKの番組出演や業界からの評価といった具体的な実績
HANAの紅白出場、理由は「3つの柱」

- 圧倒的だった「ROSE」現象
- 2025年のチャート完全制覇
- 原点は「No No Girls」という原点
- メンバーが背負う雪辱の物語
- プロデューサーちゃんみなとの師弟関係
- 感動を呼ぶ奇跡の同時出場
圧倒的だった「ROSE」現象
HANA official
HANAの紅白出場を支える第1の柱は、疑いようのない商業的成功です。その象徴が、2025年4月にリリースされたメジャーデビュー曲「ROSE」です。
この曲は単なるヒットではなく、2025年の音楽シーンを象徴する「現象」となりました。
紅白歌合戦の選考基準の一つに「その年の活躍」がありますが、「ROSE」が打ち立てた記録は、この基準を完璧に満たすものでした。
オリコンのデータでは、「オリコン週間ストリーミングランキング」で初登場1位を獲得。週間再生数は1,163.4万回を記録しました。これは、2025年度にデビューしたアーティストの作品として、最高の週間再生数です。さらに、上半期の集計期間内だけで、再生数は9,000万回を突破しています。
Billboardチャートでの強さも圧倒的でした。「Billboard Japan Hot 100」で初登場1位を獲得し、その後も複数週にわたり上位を維持しました。国内だけでなく、「Billboard Global 200」チャートでも最高111位を記録し、国際的なアピール力も証明しています。
これらのデータは、HANAの人気が一部の熱心なファン層に支えられたものではなく、極めて広範な一般層からの支持を獲得したことを示しています。リリースからわずか1ヶ月で1,700万回以上再生されたミュージックビデオも、この広範なエンゲージメントを裏付けています。
2025年のチャート完全制覇
「ROSE」の成功がさらに重要だった理由は、その多角的な強さにあります。
「Billboard Japan Hot 100」は、CDセールス、ダウンロード、ストリーミング、ラジオ、動画再生、カラオケの6種類のデータからなる総合ソングチャートです。HANAの「ROSE」は、このチャートを構成する主要な指標を同時に制圧しました。
- ダウンロード: 初週で12,870ダウンロード以上を記録
- ストリーミング: 初週で878万回以上の再生を記録
- 動画再生: 動画再生指標において4週連続で1位を獲得
- フィジカルセールス: 4月23日にリリースされたCDは46,866枚を売り上げ、オリコンシングルチャートで3位を記録
このように、特定の指標に偏るのではなく、全ての指標で高い数値を記録したことが決定打となりました。これにより、HANAの人気が本物かつ広範であるという、反論の余地のない証拠を提示できたのです。
さらに、紅白出場には年間を通じた持続的な活躍も求められます。HANAとBMSGは、この点もクリアしていました。
2025年1月のプレデビュー曲「Drop」で始動し、「ROSE」の大ヒットに続きます。その後も「Burning Flower」「Blue Jeans」「BAD LOVE」「My Body」といった楽曲を立て続けにリリースしました。これらの後続曲も確実にチャートを賑わせ、一貫して大衆の関心を掴み続ける能力を証明しています。
11月にはデジタルシングル「NON STOP」をリリースするなど、この途切れることのないヒットの連鎖が「HANAの年」を創り上げました。
| リリース楽曲 | 時期 | 主要チャート実績・指標 |
| Drop | 2025年1月 (プレデビュー) | オーディション最終審査曲としてリリース |
| ROSE | 2025年4月 (メジャーデビュー) | – Billboard Japan Hot 100: 1位 – Oricon週間ストリーミング: 1位 – Oricon週間シングル: 3位 – Billboard Global 200: 111位 – 上半期ストリーミング: 9,076.6万回超 |
| Burning Flower | 2025年 | ヒット曲として継続リリース |
| Blue Jeans | 2025年 | Billboard Japan Hot 100 ランクイン |
| BAD LOVE | 2025年 | ヒット曲として継続リリース |
| My Body | 2025年 | Billboard Japan Hot 100 ランクイン |
| NON STOP | 2025年11月 | 年内デジタルリリース |
原点は「No No Girls」という原点
HANAの紅白出場を支える第2の柱は、彼女たちの誕生の背景にある**強力な「物語性」**です。
HANAは、BMSG(CEO: SKY-HI)と、プロデューサーでもあるラッパー・ちゃんみながタッグを組んだオーディション「No No Girls」から誕生しました。
このプロジェクトの核となったコンセプトは、従来のオーディションの常識を覆すものでした。ちゃんみな自身が打ち出した「身長、体重、年齢はいりません。ただ、あなたの声と人生を見せてください」というメッセージです。
これは、過去にガールズグループを目指すも「No」を突きつけられた経験を持つ、ちゃんみな自身の体験に深く根ざしています。
表面的な業界基準を拒否し、個性を尊重するというオーディションの前提は、画一性を求める風潮に疲れた大衆の心に強く響きました。これは、2025年の日本社会における「“個”を尊重する価値観」という大きなテーマとも完璧に一致していました。
この物語はニッチなファン層に留まらず、社会的なイベントとなりました。
韓国やアメリカを含む世界各国から7,000通を超える応募が殺到。Kアリーナ横浜で開催された最終審査『No No Girls THE FINAL』の配信は、最大同時接続者数56万人超を記録しました。ソーシャルメディアも席巻し、「#ノノガファイナル」がX(旧Twitter)のトレンド1位を獲得しています。
このデビュー前の熱狂が、極めて重要な役割を果たしました。「ROSE」でデビューした時点で、HANAはすでに、数ヶ月にわたり彼女たちの物語を追いかけ、深く感情移入した巨大なファンベースを擁していたのです。
これは、紅白が重視する「世論の支持」という要素を、音楽の受動的な消費ではなく、能動的な共感という形で満たすものでした。
メンバーが背負う雪辱の物語
「No No Girls」のコンセプトを体現する生きた証拠こそが、CHIKA、NAOKO、JISOO、YURI、MOMOKA、KOHARU、MAHINAの7人のメンバーの経歴です。
HANAは、いわば「他のシステムが拒絶した才能」によって結成されたチームです。各メンバーのプロフィールが、この物語の核心を明らかにしています。
- CHIKA (他力千佳): Little Glee Monsterの新メンバーオーディションでファイナリスト6人に選ばれましたが、最終審査で落選しました。
- MOMOKA (髙畠百加): 「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」(日プ女子)に出演し、最終審査まで進みましたが、デビューメンバーには選ばれませんでした。
- JISOO (イ・ジス): 韓国の芸能事務所で約2年間練習生として活動しましたが、自信を失い事務所を離脱した過去を持ちます。
- MAHINA (最年少): 「No No Girls」の3次審査で一度脱落しましたが、ちゃんみなにラップの素質を見出され、特別審査を経て唯一の追加合格を果たしました。
このように、LGM、PRODUCE 101、韓国のK-POPシステムなど、異なる場所で「No」を突きつけられた少女たちが集結したという「雪辱」の物語は、視聴者にとって非常に魅力的です。
彼女たちの成功は「失敗からの勝利」であり、今回の紅白出場は、彼女たちの集合的な物語における感動的なクライマックスとして機能します。
| 氏名 | フルネーム(判明分) | 出身地 | 「No No Girls」の物語(背景) |
| CHIKA | 他力千佳 | 福岡県 | Little Glee Monster オーディションの元ファイナリスト(落選) |
| NAOKO | 藤井直子 | 大阪府 | タイ生まれ。高い歌唱力とダンス力を持つ |
| JISOO | イ・ジス | 韓国 | 元・韓国芸能事務所の練習生(自信を失い離脱) |
| YURI | 非公表 | 東京都 | 歌・ラップ未経験ながら、そのカリスマ性で選出 |
| MOMOKA | 髙畠百加 | 東京都 | 「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」元練習生(最終審査で落選) |
| KOHARU | 井埜心晴 | 埼玉県 | 高いダンススキルでチームを牽引 |
| MAHINA | 非公表 | 東京都 | オーディション中に一度脱落するも、ラップの素質を買われ追加合格 |
プロデューサーちゃんみなとの師弟関係
HANAの選出理由として、メディアの物語性という観点から見て非常に強力な要素があります。
それは、HANAと、彼女たちのプロデューサーであるちゃんみなが、共に紅白歌合戦に「初出場」するという事実です。
これは、師弟関係、共有された夢、そして相互の成功という、感動的で放送に適した物語を自動的に構築します。キャリア9年目となるちゃんみな自身も、2025年は飛躍の年であり、彼女自身の選出も十分に妥当なものでした。
この物語の感動的な「脚本」は、すでに出場者発表会見で示されています。
ちゃんみなは、メディアの取材に対し「(HANAの出場は)自分のことよりも嬉しい」と語っています。さらに、「頑張って育てたし、みんなも頑張って育った」「こんなに早く咲くとは本当に思っておらずでした」と、感慨深げに振り返りました。
一方、HANAのメンバーであるCHIKAは、出場決定の報を聞いて泣き、さらにその後、舞台裏でちゃんみなの姿を見て再び泣いたと報告しています。
この師弟の絆は、紅白歌合戦という番組が求める「感動的なアーク(物語の起伏)」を提供します。NHKのプロデューサー陣は、単に人気のあるグループを選んだのではなく、放送で確実に盛り上がる物語を選んだとも考えられます。
感動を呼ぶ奇跡の同時出場
HANAとちゃんみなの「同時選出」という事実は、HANAの出場枠を単なる「新人枠」から、番組の「メインストーリー・セグメント」へと昇華させます。
この同時出場は、当然ながら当日のコラボレーションへの期待を高めます。
HANAのCHIKAは会見で「もちろん(一緒に)歌いたいという思いはある」と認めつつ、知ったばかりで具体的な構想はまだないと述べました。
しかし、ちゃんみな自身が「(HANAと)一緒に立たせていただくのは本当に私にとっても意味がある」と述べたことは、共同でのパフォーマンスを強く示唆しています。
HANAとちゃんみなの選出は、「パッケージ・ディール(抱き合わせ)」として捉えることができます。NHKは2組のアーティストを選んだだけでなく、その夜、最も話題になるであろうスペシャル・ステージの一つとして完結する、強力な物語性を選択したのです。
この「プロデューサーと教え子が同じステージでデビューを飾る」という筋書きは、保証された感動的なハイライトを放送局に提供するものとなります。
HANAが紅白に選ばれた決定的な理由

- 実績で示したNHKへの貢献
- 「Venue101」出演実績の重要性
- Forbesも認めた業界の評価
- まさに「2025年の顔」
- まとめ:HANAの紅白出場の必然的な理由
実績で示したNHKへの貢献
HANAの紅白出場を支える第3の柱は、**実務的かつ戦略的な「実績」**です。
紅白歌合戦は、単にその年に人気があったという理由だけで招待されるわけではありません。年間を通じて、NHKの番組編成にどれだけ「貢献」したかも、見過ごせない選考基準の一つとされています。
この点において、HANAとBMSGは、紅白への道を完璧に実行しました。
彼女たちの2025年における「NHK貢献記録」は、明確かつ一貫しています。特に、NHKの主要音楽番組である「Venue101」への出演実績が、その中心となります。
この「Venue101」への複数回にわたる出演こそが、NHKとHANA(BMSG)との良好な関係性を築く上で、非常に重要な役割を果たしたと考えられます。
人気や物語性といった側面だけでなく、放送局との信頼関係という実務的な要件を満たしていたことも、彼女たちの選出を後押しした決定的な理由の一つと言えるでしょう。
「Venue101」出演実績の重要性
前述の通り、HANAの「NHKへの貢献」において、音楽番組「Venue101」への出演実績は特に重要です。
この実績は、NHKの選考委員会に対し、主に3つの点でポジティブな材料を提供したと考えられます。
1. 強固な関係性の証明
まず、HANAとBMSGが、放送局にとって「良きパートナー」であることを示しています。年間を通じて継続的に番組に出演することは、相互の信頼関係がなければ難しいものです。
2. プロフェッショナリズムの証明
次に、彼女たちがNHKの生放送でプロフェッショナルなパフォーマンスを遂行できることを、NHKのプロデューサー陣に対して証明済みである点です。紅白という大舞台を任せる上で、生放送での実績は不可欠な要素です。
3. 相互の投資とその集大成
HANAの出演記録を見ると、NHKが年間を通じて彼女たちを支持し、プラットフォームを提供してきたことが分かります。
- 2025年4月26日: NHK「Venue101」に生出演
- 2025年7月26日: NHK「Venue101」に出演(「Blue Jeans」を披露)
- 2025年11月8日: NHK「【Venue101】 101回 大感謝SP」にVTR出演
このように、4月、7月、11月と継続的にNHKの番組に関わってきた実績があります。その見返りとして、紅白への選出は、その1年間にわたる関係性のクライマックスとして機能します。
これは、「紅白への道」の、まさに教科書通りの実行例と言えます。
Forbesも認めた業界の評価
紅白の出場枠を正当化するためには、アーティストは「その年の顔」である必要があります。HANAは、音楽業界以外からも権威ある賞を次々と受賞することで、その影響力が音楽ファンに留まらないことを証明しました。
これらの受賞歴は、彼女たちが2025年の文化的な時流全体に浸透したことを示す、客観的かつ第三者的な証拠をNHKに提供しました。
Forbes 30 UNDER 30 JAPAN 2025
まず、「Forbes 30 UNDER 30 JAPAN 2025」の受賞です。これは、新世代の文化的・ビジネスリーダーとして、そのインパクトが公に認められたことを意味します。
第42回ベストジーニスト2025
次に、「第42回ベストジーニスト2025」の受賞です。これは日本のトップファッション・アイコンの仲間入りを果たす、極めて影響力の大きいメインストリームのアワードです。メンバーのYURIは、この受賞を楽曲「Blue Jeans」と巧みに結びつけ、その話題性をさらに増幅させました。
ネイルオブザイヤー2025
さらに、メンバーのMOMOKAが「ネイルオブザイヤー2025」を受賞するなど、ファッションおよびライフスタイル分野での彼女たちの影響力を示しています。
これらの受賞は、HANAが単なる「ストリーミング・ヒット」を生み出したアーティストではなく、2025年の「文化的現象」であったことを裏付けています。
まさに「2025年の顔」
2025年のガールズグループシーンは、ME:Iや櫻坂46といった他の有力なグループも活躍し、非常に競争の激しい年でした。報道でも、これらのグループが出場を逃し明暗が分かれたと報じられています。
そのような厳しい競争環境において、HANAの選出は「チェックメイト(詰み)」、つまり必然的な結果でした。
彼女たちは、選考委員会に「選ばない」という選択肢を与えませんでした。
前述の通り、HANAは、選考基準を構成する「3つの柱」すべてにおいて、反論の余地がないほど強力な候補でした。
- 商業的成功: その年最も圧倒的かつ多角的な新人ヒット曲「ROSE」を生み出しました。
- 物語性: 「No No Girls」の「雪辱の物語」と、ちゃんみなとの「師弟同時デビュー」という、最も魅力的な物語を有していました。
- 業界・NHKとの連携: 音楽の枠を超えて文化の象徴となり(Forbes、ベストジーニスト)、さらにNHKの番組への完璧な「貢献」という実務的要件を満たしました。
HANAは、2025年のテーマである「“個”の尊重」、新世代のマネジメント(BMSG)の力、本物の物語が持つ説得力、そしてデータに裏打ちされたヒット曲の紛れもないパワーを、その一身で体現しています。
彼女たちの招待は、最終的に、2025年の音楽シーンにおける唯一の論理的な結論だったのです。
まとめ:HANAの紅白出場の必然的な理由
- HANAの紅白出場は、2025年11月14日に発表された
- デビューからわずか7ヶ月での快挙だった
- 選出の理由は大きく分けて3つの柱がある
- 第1の柱は圧倒的な商業的成功
- デビュー曲「ROSE」がチャートを席巻する社会現象となった
- オリコンとBillboardで年間トップクラスの記録を樹立した
- CD、配信、動画再生など全方位でヒットした
- 第2の柱は強力な物語性
- オーディション「No No Girls」が原点にある
- メンバーは他のオーディション落選者など「雪辱」の物語を持つ
- プロデューサーのちゃんみなとの師弟の絆が注目された
- HANAとちゃんみなが同時に初出場するという奇跡も起きた
- 第3の柱は業界評価とNHKへの貢献
- 「Venue101」に年間を通じて複数回出演した
- Forbesやベストジーニストなど音楽以外の賞も受賞した
- これらの理由が複合しHANAの出場は必然的な結果となった
