今、歌舞伎界と芸能界の両方で熱い視線を集めている若き才能、尾上眞秀(おのえ まほろ)さん。2023年に初代尾上眞秀を襲名し、大きな話題となりました。彼の活躍とともに、その背景にあるご家族、特にご両親について関心を持つ方が増えています。
この記事では、「尾上眞秀さんの両親はどんな人?」という疑問にお答えすべく、国際色豊かなご家庭を築かれている父親と母親のプロフィールを深掘りします。さらに、人間国宝を祖父に持つ華麗な家系図、眞秀(まほろ)という名前の由来、現在の年齢や気になる身長、そして小学校時代のエピソードにも触れていきます。
また、歌舞伎役者としての襲名までの道のり、俳優として出演したドラマでの活躍、そして良きライバルであるいとこの存在まで、尾上眞秀さんを形作る様々な要素を、2025年9月時点の最新情報をもとに徹底解説します。
この記事でわかること
- 尾上眞秀さんのご両親(父親・母親)の詳しいプロフィール
- 七代目尾上菊五郎を祖父に持つ「音羽屋」の華麗な家系図
- 超難関小学校への進学や俳優としての輝かしい経歴
- 歌舞伎役者としての襲名の経緯と将来性
尾上眞秀さんの両親はどんな人?
- 父親はフランス人アートディレクター
- 母親は実力派女優の寺島しのぶ
- 華麗なる芸能一家の家系図
- 眞秀という名前の読み方と由来
- 尾上眞秀さんの現在の年齢
- 成長期である現在の身長
父親はフランス人アートディレクター
尾上眞秀さんの父親は、フランス出身のローラン・グナシア(Laurent Ghnassia)さんです。彼は日本を拠点に活躍する、非常に優れたアートディレクターとして知られています。
ローラン・グナシアさんの経歴と職業
ローランさんは、もともと銀行業界でエコノミック・リサーチャーとしてキャリアをスタートさせましたが、文化的な事業への強い関心から映画プロデューサーへと転身。カンヌ国際映画祭に出品するなど、その才能を発揮してきました。
その後、マルセイユ国際映画祭のディレクターや、人気ファッションブランド「アニエスベー(agnès b.)」のアートディレクターといった要職を歴任します。そして2007年、自身のクリエイティブスタジオ**「La Boite(ラ・ボワット)」**を東京に設立しました。
「La Boite」は、大手ファッションブランドのイベント制作や、アート、映画、国際的な慈善団体のための展示会やパーティーを手掛けるクリエイティブスタジオです。日本の伝統文化と現代的な感覚を融合させた独創的なイベントプロデュースで高い評価を得ています。例えば、ファッションブランド「KENZO」のイベントでは、歌舞伎の花道や日本舞踊といった要素を取り入れ、訪れた人々を魅了しました。
寺島しのぶさんとの出会い
ローランさんと寺島しのぶさんの出会いは、2005年に開催された映画祭「第6回 東京フィルメックス」でした。当時、寺島さんは主演映画『やわらかい生活』の舞台挨拶で来場しており、パーティーを主催していたローランさんに一目惚れしたと言われています。
寺島さんからの積極的なアプローチが実を結び、二人は交際に発展。二人の誕生日が同じ12月28日という運命的な偶然も、関係を深めるきっかけとなったようです。そして2007年2月26日、二人は結婚しました。
眞秀さんは、父親であるローランさんとはフランス語で、母親のしのぶさんとは日本語で会話し、ご両親は英語でコミュニケーションを取るという、3カ国語が飛び交う国際的な家庭環境で育っています。このような環境が、眞秀さんの豊かな感性を育んでいるのかもしれません。
母親は実力派女優の寺島しのぶ
尾上眞秀さんの母親は、日本を代表する実力派女優の寺島しのぶさんです。彼女は数々の映画やドラマ、舞台で圧倒的な存在感を放ち、国内外で高い評価を受けています。
女優としての輝かしい経歴
寺島しのぶさんは、1972年12月28日生まれ、京都府京都市の出身です。父に七代目尾上菊五郎、母に富司純子さんという芸能一家に生まれ、1992年に文学座に入団し、女優としてのキャリアをスタートさせました。
2003年に公開された映画『赤目四十八瀧心中未遂』と『ヴァイブレータ』での鬼気迫る演技は大きな衝撃を与え、第27回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞をはじめ、数多くの映画賞を総なめにしました。
そして2010年、映画『キャタピラー』で、世界三大映画祭の一つである**ベルリン国際映画祭の最優秀女優賞(銀熊賞)**を受賞。これは日本人として35年ぶりの快挙であり、彼女の名を国際的に知らしめることとなりました。
近年も、映画『あちらにいる鬼』で作家の瀬戸内寂聴さんをモデルにした役を演じるために実際に剃髪するなど、役作りに妥協しない姿勢は多くの人々を惹きつけています。
母親として眞秀さんを支える姿
寺島さんは女優業の傍ら、長男・眞秀さんの成長を温かく、そして力強く支える母親でもあります。眞秀さんが歌舞伎の道に進むことを決意してからは、自身の仕事をセーブしながら、稽古の送り迎えやサポートに徹してきました。
その奮闘ぶりは、BS日テレのドキュメンタリー番組『寺島しのぶと眞秀君 奮闘記』シリーズで定期的に放送され、多くの視聴者に感動を与えています。番組では、梨園の厳しい世界で芸を磨く眞秀さんと、それを見守り、時に厳しく、時に優しく導く母親としての寺島さんの姿が映し出されています。
歌舞伎役者になりたくてもなれなかった自身の経験も踏まえ、眞秀さんの才能を最大限に引き出し、彼の将来の選択肢を広げようとする深い愛情が感じられます。
華麗なる芸能一家の家系図
尾上眞秀さんは、歌舞伎界の名門**「音羽屋(おとわや)」**の血を引く、まさに梨園のサラブレッドです。彼の家系図を辿ると、日本の芸能史に名を刻む偉大な人物がずらりと並びます。
ここでは、眞秀さんを中心とした華麗なる家系図の主要な人物をご紹介します。
続柄 | 氏名 | 職業・備考 |
本人 | 初代 尾上眞秀 | 歌舞伎役者、俳優 |
父親 | ローラン・グナシア | アートディレクター |
母親 | 寺島しのぶ | 女優 |
母方の祖父 | 七代目 尾上菊五郎 | 歌舞伎役者、人間国宝 |
母方の祖母 | 富司純子 | 女優(旧芸名:藤純子) |
母方の叔父 | 八代目 尾上菊五郎 | 歌舞伎役者 |
いとこ | 六代目 尾上丑之助 | 歌舞伎役者(叔父の長男) |
母方の曽祖父 | 七代目 尾上梅幸 | 歌舞伎役者 |
母方の曽祖父 | 六代目 尾上菊五郎 | 歌舞伎役者 |
祖母の父 | 俊藤浩滋 | 映画プロデューサー |
このように、母方の祖父は人間国宝の七代目尾上菊五郎、祖母は大女優の富司純子さんです。叔父は、2025年に父の名跡を継ぎ八代目尾上菊五郎を襲名しました。
本来、歌舞伎の世界は父から子へと芸や名跡が受け継がれる「父系継承」が基本です。そのため、母親が寺島しのぶさんである眞秀さんは「女系」にあたり、名跡を継ぐことは非常に稀なケースと言えます。しかし、祖父である七代目菊五郎の強い後押しもあり、彼は「尾上眞秀」という新たな道を切り開くことになりました。
眞秀という名前の読み方と由来
尾上眞秀さんの名前は、一度聞いたら忘れられない美しい響きを持っていますが、その読み方と由来には、ご両親の深い思いが込められています。
「眞秀」の読み方
- 本名:寺嶋 眞秀(てらじま まほろ)
- 芸名:尾上 眞秀(おのえ まほろ)
「眞秀」は**「まほろ」**と読みます。歌舞伎役者としての芸名は「おのえ まほろ」、本名は「てらじま まほろ」です。
名前に込められた願い
この「まほろ」という名前は、古事記に登場するヤマトタケルノミコトの言葉に由来します。
「大和は 国のまほろば たたなづく 青垣 山ごもれる 大和し美し」
ここでの「まほろば」とは、**「素晴らしい場所」「美しい国」**を意味する日本の古語です。母親の寺島しのぶさんは、名前の由来について「どこの国に行っても大和魂、大和の美しさは忘れないでほしいという親の気持ちです」と語っています。国際的な家庭に生まれた息子への、日本の心を忘れないでほしいという願いが込められているのです。
また、「秀」の字は、父親のローランさんの「たっての希望」で入れられました。これは、眞秀さんの祖父である七代目尾上菊五郎の本名が「寺嶋秀幸(てらしま ひでゆき)」であることから、尊敬する義父への敬意を表したものです。
このように、「眞秀」という名前には、日本の伝統と家族への深い愛情が詰まっています。
尾上眞秀さんの現在の年齢
尾上眞秀さんの生年月日は、2012年9月11日です。
2025年9月の誕生日を迎えると、13歳になります。学年は中学1年生です。
わずか4歳で歌舞伎の舞台に「初お目見得」し、10歳で「初代尾上眞秀」を襲名して初舞台を踏むなど、幼い頃から大人顔負けのキャリアを積んでいます。テレビ番組『徹子の部屋』には、4歳(2017年)、9歳(2022年)の時に母・寺島しのぶさんと共に出演し、10歳(2023年)の時には単独で出演を果たし、そのしっかりとした受け答えが話題となりました。
成長期である現在の身長
尾上眞秀さんの身長についてですが、2025年9月現在、公式なプロフィールでは公表されていません。
彼は現在13歳の中学1年生であり、まさに成長期の真っ只中にいます。そのため、身長は日々伸びていると考えられ、特定の数値を公表することは難しい状況です。
参考として、日本の13歳男子の平均身長は150cm台後半から160cm台前半とされています。眞秀さんの父親であるローラン・グナシアさんは長身であることから、眞秀さんも今後さらに身長が伸びることが期待されます。
テレビ出演や舞台での姿を見る限り、同年代の子供たちと比較してもすらりとした印象を受けます。歌舞伎役者としても、俳優としても、恵まれたスタイルは大きな武器になるでしょう。今後の成長が非常に楽しみです。
尾上眞秀さんと両親以外の経歴
- 通っていた小学校は超難関校
- いとこも歌舞伎界で活躍
- 初代を名乗る襲名の経緯
- 子役として出演したドラマ作品
通っていた小学校は超難関校
尾上眞秀さんの教育環境も、彼の人物像を語る上で非常に興味深い点です。彼は芸能人の子供が多く通うことで知られる学校ではなく、国内でも屈指の難関私立校に進学しています。
眞秀さんは、青山学院幼稚園を卒園後、小学校受験に挑戦し、見事**「慶應義塾幼稚舎」**に合格しました。慶應義塾幼稚舎は、単に学力が高いだけでなく、家庭環境や本人の個性など、総合的な力が問われる「お受験の最難関校」の一つとして知られています。
なぜ慶應義塾を選んだのか
歌舞伎界では、尾上菊五郎家をはじめ、多くの役者が青山学院初等部に進学するのが慣例となっていました。学校側も歌舞伎の舞台活動に理解があり、学業との両立がしやすい環境が整っているためです。
しかし、母親の寺島しのぶさんは、あえてその慣例とは異なる道を選びました。この背景には、眞秀さんの将来を考えた深い親心があったと推測されています。
眞秀さんは前述の通り、歌舞伎界では「女系」にあたります。将来、叔父の長男であるいとこの尾上丑之助さんが「菊五郎」という大名跡を継ぐのが既定路線です。もし同じ学校に通えば、いずれその現実を目の当たりにすることになります。
そこで寺島さんは、息子が将来「歌舞伎とは違う世界に進みたい」と思った時に備えて、より広い選択肢と多様な価値観に触れられる環境として、慶應義塾を選んだのではないかと言われています。この選択は、眞秀さんの可能性を最大限に引き出したいという母親の強い意志の表れと言えるでしょう。
2025年4月からは、内部進学で**慶應義塾普通部(中学校)**に進学されたと思われます。学業と芸事の両立は大変ですが、この経験が彼の人間性をより豊かにしていくことは間違いありません。
いとこも歌舞伎界で活躍
尾上眞秀さんにとって、家族であり、同世代のライバルでもある重要な存在がいとこです。
彼のいとこは、叔父である八代目尾上菊五郎の長男、六代目尾上丑之助(おのえ うしのすけ)さんです。
丑之助さんは2013年11月生まれで、眞秀さんより1歳年下です。彼は音羽屋の嫡流であり、将来は父の「菊之助」、そして祖父の「菊五郎」という大名跡を継承することが期待されている、次世代の歌舞伎界を担う逸材です。
2023年9月には、10歳にして父・菊之助さんと共に大曲『連獅子』を堂々と勤め上げ、その才能の片鱗を見せつけました。
眞秀さんと丑之助さんは、プライベートでは仲の良い従兄弟同士ですが、舞台の上では互いを高め合う良きライバル関係にあります。生まれながらにして将来を約束された嫡流の丑之助さんと、フランス人の父を持ち、女系から新たな道を切り開く眞秀さん。
この二人の存在は、伝統を重んじる歌舞伎界に新しい風を吹き込み、今後の「音羽屋」、ひいては歌舞伎界全体を盛り上げていく上で、非常に重要な鍵となるでしょう。彼らが切磋琢磨し、共に成長していく姿から目が離せません。
初代を名乗る襲名の経緯
2023年5月、尾上眞秀さんは歌舞伎役者としてのキャリアを本格的にスタートさせる大きな一歩を踏み出しました。東京・歌舞伎座で行われた「團菊祭五月大歌舞伎」において、**「初代 尾上眞秀」**を名乗り、初舞台を勤めたのです。
異例の「初代」襲名
この「初代」という名は、彼のために新しく創設された名跡であることを意味します。前述の通り、彼は女系であるため、代々受け継がれてきた名跡を襲名するのではなく、全く新しい歴史を自ら築いていくことになりました。
父親が外国人であるハーフの歌舞伎役者は、戦前に活躍した十五代目市村羽左衛門に次いで、歌舞伎史上2人目という歴史的な出来事でもあります。十五代目市村羽左衛門は、その出自を公にはしていなかったため、公然と国際的なバックグラウンドを持つ役者としては、眞秀さんが実質的に初めてと言えます。
この襲名は、祖父である人間国宝・七代目尾上菊五郎の強い意向が働いた結果です。伝統を重んじながらも、歌舞伎の未来を見据え、新たな才能を受け入れるという音羽屋の革新的な姿勢が示されました。
堂々たる初舞台
初舞台の演目は**『音菊眞秀若武者(おとにきく まことのわかむしゃ) 岩見重太郎狒々退治』**。眞秀さんは、この舞台で堂々と主役の岩見重太郎を演じきり、満員の客席から万雷の拍手を浴びました。
襲名発表の記者会見では、「自分に子供ができて、いつか死んで。それでも尾上眞秀が受け継がれれば」と語り、10歳とは思えない覚悟と歌舞伎の未来を担う気概を示しました。彼の初舞台は、歌舞伎界に新たなスターが誕生したことを高らかに宣言する、記念すべき公演となりました。
子役として出演したドラマ作品
尾上眞秀さんは、歌舞伎の舞台だけでなく、映像の世界でもその才能を発揮しています。襲名前は本名の**「寺嶋眞秀」**名義で子役として活動し、数々のテレビドラマに出演してきました。
ここでは、彼の主なドラマ出演作品をご紹介します。
放送年 | タイトル | 役名 | 放送局 |
2022年 | ユニコーンに乗って | 羽田玲央 | TBS |
2022年 | PICU 小児集中治療室 | 後藤光 | フジテレビ |
2023年 | どうする家康 | 徳川信康(幼少期) | NHK |
2022年の『ユニコーンに乗って』では、広末涼子さん演じる主人公の息子役で連続ドラマデビュー。自然体な演技で視聴者に強い印象を残しました。
そして2023年には、NHK大河ドラマ**『どうする家康』で、松本潤さん演じる徳川家康の長男・信康の幼少期を演じ、大きな注目を集めました。この作品では、母親の寺島しのぶさんがナレーションを担当しており、「母子共演」**が実現したことでも話題となりました。
歌舞伎で培われた表現力と、国際的な環境で育まれた豊かな感性は、俳優としての活動においても大きな強みとなっています。今後、歌舞伎と映像の両輪で、どのような活躍を見せてくれるのか、期待は高まるばかりです。
まとめ:尾上眞秀さんとその両親について
この記事では、尾上眞秀さんとそのご両親を中心に、華麗なる一族の背景や彼の輝かしい経歴について解説しました。最後に、記事の重要なポイントをまとめます。
- 尾上眞秀さんの父親はフランス人アートディレクターのローラン・グナシアさん
- 母親はベルリン国際映画祭で最優秀女優賞を受賞した寺島しのぶさん
- 両親の出会いは2005年の映画祭で、2007年に結婚した
- 母方の祖父は人間国宝の七代目尾上菊五郎
- 母方の祖母は大女優の富司純子さん
- 歌舞伎界の名門「音羽屋」の血筋を引いている
- 眞秀(まほろ)という名前は「素晴らしい場所」を意味する日本の古語に由来
- 2012年9月11日生まれで、2025年の誕生日で満13歳の中学1年生
- 小学校は超難関校として知られる慶應義塾幼稚舎を卒業
- いとこは音羽屋の跡取りである六代目尾上丑之助さん
- 2023年5月に「初代 尾上眞秀」を襲名し、歌舞伎役者として初舞台を踏んだ
- ハーフの歌舞伎役者としては、歌舞伎史上2人目となる
- 本名の寺嶋眞秀名義で子役としても活動している
- 大河ドラマ『どうする家康』では母・寺島しのぶさんと「母子共演」を果たした
- 日本語、フランス語、英語を操るトライリンガルである