FIFAワールドカップ2026年大会の全貌がいよいよ明らかになり、世界中のファンが組み合わせ決定後の動向に熱い視線を注いでいます。
今回の抽選結果によって浮かび上がった死の組候補の顔ぶれや、厳しいグループに入った日本代表への海外の反応はどのようなものでしょうか。また、広大な開催地ゆえに生じる移動距離格差や、ファンの財布を直撃するチケット価格高騰といった運営面の課題も浮き彫りになっています。
48チーム制変更点による試合数の増加や最新の優勝予想オッズの変動も見逃せません。一方で、発表された公式マスコット評判やオランダ代表戦力の分析、さらには抽選会でのトランプ大統領登壇といった政治的な側面も話題を呼んでいます。入国時のビザ問題懸念など、ピッチ外の話題も含めて大会の現在地を詳しく見ていきましょう。
この記事でわかること
- 2026年大会の全グループ組み合わせと日本代表の立ち位置
- 48チーム制への変更に伴うメリットやデメリットの詳細
- 移動距離やチケット価格など現地観戦に関わる運営課題
- 海外メディアやファンによる各国代表チームへの評価や反応
抽選結果とサッカーワールドカップ世界の反応

- 48チーム制の変更点と大会への影響
- 激戦必至となる死の組候補の分析
- 厳しい組の日本代表への海外の反応
- 同組強豪オランダ代表の戦力分析
- 最新の優勝予想オッズと各国の評価
48チーム制の変更点と大会への影響
2026年大会は、参加国が従来の32チームから48チームへと拡大される歴史的な大会となります。1998年以来となるこの大規模な改革により、総試合数は64試合から104試合へと飛躍的に増加しました。開催期間も39日間に延長され、世界中のサッカーファンにとっては長く楽しめる祭典となるでしょう。
この変更は、これまで出場権を手にすることが難しかったアジアやアフリカ、北中米カリブ海の中堅国や新興国にとって大きなチャンスをもたらしました。出場枠の拡大は、世界的なサッカーの普及と発展に寄与するというFIFAの意図が反映されています。一方で、参加国が増えることで競技の質が希薄化するのではないかという懸念や、グループステージでの緊張感が低下する可能性も指摘されています。
大会フォーマットも刷新されました。12グループに分かれて行われる今大会では、各組の上位2チームだけでなく、3位チームのうち成績上位8チームも決勝トーナメントに進出できます。これにより、グループステージ敗退のリスクは数学的に低下しましたが、優勝を目指すチームにとっては決勝トーナメントがラウンド32から始まるため、従来よりも1試合多い計8試合を戦い抜く必要があります。選手のフィジカル面での負担は避けられず、選手層の厚さが勝敗を分ける重要な要素となるでしょう。
また、FIFAランキング上位の強豪国が順当に勝ち上がった場合、準決勝まで対戦しないように配慮されたシード制に近いブラケットが組まれている点も特徴的です。大会終盤までスター選手同士の対決を温存し、盛り上がりを維持するための戦略的な構成と言えます。
激戦必至となる死の組候補の分析
組み合わせ抽選の結果、いくつかのグループは突破が極めて困難な「死の組」と目されています。48チーム制への移行で強豪国が分散される傾向にありましたが、特定のグループには実力国が集中する結果となりました。特に注目を集めているのが、フランス、セネガル、ノルウェーが同居するグループIと、イングランド、クロアチア、ガーナが争うグループLです。
グループIでは、優勝候補の一角であるフランスに対し、アフリカ王者の経験を持つセネガル、そして世界最高峰のストライカーであるハーランドを擁するノルウェーが挑みます。ポット3に欧州の実力国であるノルウェーが入ったことでパワーバランスが崩れ、非常にタフな争いが予想されます。また、グループLも前回大会ベスト4のクロアチアとサッカーの母国イングランド、さらに身体能力の高いガーナが揃っており、予断を許さない状況です。
開催国カナダが入ったグループBも、今後の展開次第では過酷なグループに変貌する可能性があります。欧州プレーオフの結果次第では、強豪イタリアがこのグループに加わる可能性があるからです。もしイタリアが勝ち上がれば、カナダ、スイス、イタリアという実力伯仲の構成となり、開催国にとっても試練の場となるでしょう。
以下の表は、特に激戦が予想される注目グループの構成をまとめたものです。
| グループ | 主要構成国 | 特徴と展望 |
| グループI | フランス、セネガル、ノルウェー | 欧州2強+アフリカ強豪の実質的な死の組。ハーランド擁するノルウェーが台風の目。 |
| グループL | イングランド、クロアチア、ガーナ | 2018年準決勝の再現カードに難敵ガーナが絡む混戦必至のグループ。 |
| グループB | カナダ、スイス、(イタリアの可能性) | 欧州POからイタリアが合流すれば、開催国カナダにとって最大の障壁となる。 |
| グループF | オランダ、日本、チュニジア | オランダ1強に見えるが、2位争いは熾烈。欧州POからスウェーデン等の可能性あり。 |
厳しい組の日本代表への海外の反応
日本代表(サムライブルー)が入ったグループFは、決して楽観視できない組み合わせとなりました。オランダ、チュニジア、そして欧州プレーオフの勝者という構成は、日本にとって非常にタフな戦いを強いるものです。ここでは、タイトルにある「日本の評価」について、世界や現地、そして国内の反応を交えて5つのポイントで解説します。
1. 実質的な「死の組」である理由
一見するとオランダの1強に見えるかもしれません。しかし、世界中の専門家やファンの反応を精査すると、このグループFこそが日本にとっての真の「死の組」であるという認識が広がっています。欧州プレーオフ(パスB)からはウクライナやスウェーデンといったポット1・2クラスの強豪が勝ち上がってくる可能性が高く、その場合、日本は実質的に欧州2チームと戦う過酷な構図になります。ここに前回0-3で敗れた難敵チュニジアが加わることで、全試合が決勝戦のような息つく暇もない激戦区となることは明白です。
2. オランダメディアの好意的な見方
対戦国であるオランダのメディア『Football-Oranje』などは、日本と同組になったことを比較的ポジティブに捉えています。彼らの分析では、日本は警戒すべき相手ではあるものの、ドイツやスペインと戦った前回大会に比べれば組みやすい相手という認識が見え隠れします。また、首位通過すれば準々決勝まで他グループの1位と当たらないルートに入れることも、彼らの余裕の一因となっているようです。
3. 北アフリカの雄・チュニジアへの警戒
日本国内でも記憶に新しいのが、2022年のキリンカップで0-3と完敗したチュニジアの存在です。堅守速攻をスタイルとするチュニジアは、日本がボールを持たされる展開で苦戦する典型的な相手と言えます。海外の戦力分析でも、チュニジアの堅実な守備組織は高く評価されており、日本にとって2位通過を争う最大のライバルになると目されています。
4. 三笘・久保らタレントへの注目
The Athletic誌をはじめとする欧州メディアは、アジアの注目選手としてソン・フンミンと共に三笘薫や久保建英の名前を挙げています。彼らが所属クラブで見せているパフォーマンスは世界的に認知されており、日本の攻撃の鍵を握る存在として警戒されています。特に三笘の突破力や久保の創造性は、オランダのような強豪相手にどこまで通用するかが、日本の命運を左右すると見られています。
5. 森保監督の冷静かつ現実的な反応
森保一監督は抽選直後、「非常にタフなグループ」との認識を示しました。このコメントは海外メディアでも報じられ、日本が相手を過小評価せず、入念な準備をしてくるチームであるという印象を与えています。前回大会でのドイツ・スペイン撃破の実績があるからこそ、日本の監督が発する慎重な言葉は、対戦国にとって不気味なものとして響いている可能性があります。
同組強豪オランダ代表の戦力分析
グループFの筆頭格であるオランダ代表は、今大会でも優勝候補の一角に数えられる実力を持っています。その最大の強みは、世界屈指のタレントを擁する守備陣と中盤の構成力です。リバプールのファン・ダイクを中心とした守備ブロックは高さと強さを兼ね備えており、日本の攻撃陣にとって大きな壁となるでしょう。
攻撃面では、コーディ・ガクポのような決定力の高いアタッカーや、中盤をコントロールするフレンキー・デ・ヨングといった技術に優れた選手が揃っています。彼らは個の能力が高いだけでなく、組織的な戦術眼も優れており、試合の流れを自分たちに引き寄せる術を知っています。「無冠の帝王」という呼び名を返上しようとするモチベーションも高く、グループステージからエンジン全開で来る可能性が高いです。
過去の対戦成績を見ても、日本はオランダの高さとフィジカル、そして巧みなボール回しに苦しめられてきました。2010年南アフリカW杯での対戦を含め、日本にとって相性の良い相手とは言えません。オランダ国内では首位通過がノルマとされており、日本戦を取りこぼすことは許されないというプレッシャーもあります。しかし、そのプレッシャーこそが彼らの隙を生む可能性もあり、日本としてはそこを突く展開が理想的でしょう。
最新の優勝予想オッズと各国の評価
抽選会を経て、各国のブックメーカーやスポーツメディアによる優勝予想オッズにも動きが見られます。現時点で最も評価が高いのは、前回王者アルゼンチン、欧州王者スペイン、そして選手層の厚いフランスやイングランドといったFIFAランキング上位国です。これらの国々は、グループステージの組み合わせにも比較的恵まれた、あるいは実力が突出していると判断されており、順当に勝ち上がることが予想されています。
ブラジルも常に優勝候補の筆頭ですが、今回はグループステージで前回ベスト4のモロッコと同組になったことで、初戦から気の抜けない戦いが続くことになります。しかし、ブラジルの攻撃陣の破壊力は依然として世界最高レベルであり、オッズでも上位をキープしています。
一方で、ダークホースとして注目されているのが開催国のアメリカやメキシコです。ホームアドバンテージに加え、アメリカは「死の組」を回避した幸運なドローもあり、上位進出の期待が高まっています。また、日本が入ったグループFのオランダも、組み合わせの妙により決勝トーナメント序盤での強豪対決を避けられる可能性があるため、評価を上げています。
運営面でのサッカーワールドカップ世界の反応

- 賛否両論ある公式マスコットの評判
- 抽選会へのトランプ大統領登壇の衝撃
- グループ間で生じた移動距離の格差
- 一般客を排除するチケット価格の高騰
- 入国審査やビザ問題への懸念
- サッカーワールドカップ世界の反応総括
賛否両論ある公式マスコットの評判

大会の顔となる公式マスコットとして発表された3体のキャラクター、Clutch(アメリカ・ハクトウワシ)、Maple(カナダ・ヘラジカ)、Zayu(メキシコ・ジャガー)に対し、世界中で様々な反応が巻き起こっています。これらのキャラクターは開催3カ国を象徴する動物をモチーフにしており、親しみやすさを狙ったデザインとなっています。
しかし、SNSやメディアからは「あまりにもステレオタイプすぎる」「創造性に欠ける」といった批判的な声も少なくありません。各国の典型的なイメージをそのままキャラクター化したことに対し、もっと現代的でユニークなアプローチがあっても良かったのではないかという意見です。特に、多様性を重んじる現代において、古典的な国ごとのイメージに固執したデザインは賛否が分かれるところです。
一方で、インターネット上ではこれらのマスコットをネタにしたジョークも飛び交っています。例えば、メキシコ代表の守護神として知られるGKオチョアをそのままマスコットにすべきだったという投稿が話題になるなど、ファンならではの視点で盛り上がりを見せています。賛否はあるものの、大会への関心を高めるという点では、一定の役割を果たしていると言えるかもしれません。
抽選会へのトランプ大統領登壇の衝撃
2025年12月5日にワシントンD.C.で行われた抽選会は、スポーツイベントの枠を超えた政治的な色彩を帯びたものとなりました。会場にはドナルド・トランプ次期大統領が出席し、FIFAのインファンティーノ会長から「FIFA平和賞」を授与されるという演出が行われました。この光景は世界中に配信され、大会が政治と密接に関わっていることを改めて印象付けました。
トランプ氏は演説の中で、競技名を巡る長年の論争である「サッカーかフットボールか」という話題に触れ、「フットボールと呼ぶべきだ」と発言して会場を沸かせました。このパフォーマンスは、アメリカ国内のファンには好意的に受け止められた一方で、国際的なサッカーコミュニティの一部からは、神聖な抽選会が政治的なアピールの場として利用されたことへの違和感も表明されました。
また、司会進行にハリウッドスターや有名モデル、ドローアシスタントに北米4大スポーツのレジェンドたちを起用したことも、アメリカ開催らしいショーアップされた演出でした。これはFIFAが北米市場におけるサッカーの地位向上を強く意識していることの表れであり、エンターテインメントとスポーツの融合を象徴する出来事として受け止められています。
グループ間で生じた移動距離の格差
広大な北米大陸で開催される今大会において、最大の懸念事項の一つが移動距離の問題です。FIFAは環境配慮と選手の負担軽減のため、開催都市を地域ごとにクラスター化する方針を打ち出していましたが、実際の抽選結果ではグループ間で著しい不平等が生じています。これを「移動ガチャ」と呼ぶファンもおり、どのグループに入るかがコンディション維持に直結する状況です。
最も恵まれた環境を手にしたのは、アメリカ北東部で試合が行われるグループIです。ボストン、ニューヨーク、フィラデルフィアといった都市間の距離は比較的近く、鉄道での移動も可能です。移動距離は約1,161マイル(約1,868km)で済み、選手への負担は最小限に抑えられます。
一方、日本が入ったグループFは、主にテキサス州など米国中部とメキシコの一部を使用する「セントラル・クラスター」での開催が見込まれています。移動距離は平均的ですが、国境越えが含まれる点や、現地の酷暑への適応が必要となる点が懸念材料です。しかし、最悪のケースである「大陸横断」は回避できたため、時差ボケの影響が少ない「縦の移動」で済むことは不幸中の幸いと言えるでしょう。
対照的に、最も過酷な環境を強いられるのがグループJです。このグループはサンフランシスコ、アトランタ、バンクーバーと大陸を横断する形で試合会場が設定されており、グループステージだけで約6,400マイル(約1万km以上)を移動しなければなりません。これはグループIの5倍以上の距離であり、時差や気候の激しい変化も伴うため、アルゼンチンなどの該当チームにとっては「移動の悪夢」となるでしょう。
以下の表は、日本(グループF)を含む移動距離の格差を分かりやすく比較したものです。
| グループ | 主な開催地域 | 推定移動距離 | 評価と影響 |
| グループI | 北東部 (ボストン, NY等) | 約1,161マイル | ベスト。移動負担が少なく、コンディション調整に有利。 |
| グループC | 東海岸エリア | 約2,406マイル | 良好。国境越えがなく、比較的スムーズな運営が期待できる。 |
| グループF | 中部・メキシコ | 約2,800マイル | 平均的。最悪のケースは回避。時差は少ないが、国境越えと暑さ対策が鍵。 |
| グループK | 南部〜メキシコ | 約4,400マイル | 厳しい。2回の国境越えが発生し、手続きや気候順化が課題。 |
| グループJ | 大陸横断 (西〜東〜北) | 約6,424マイル | ワースト。長距離移動と時差により、疲労蓄積が懸念される。 |
一般客を排除するチケット価格の高騰
ワールドカップ現地観戦を夢見る多くのファンにとって、チケット価格の高騰は頭の痛い問題です。公式販売の段階ですでに価格設定が高額化しているとの指摘がありますが、さらに深刻なのはリセール市場での価格高騰です。特に決勝戦などの人気カードは数万ドルに達する可能性があり、一般のサッカーファンには手が届かない「富裕層の娯楽」になりつつあるという批判が世界中で起きています。
チケット代だけでなく、それに伴う隠れたコストも無視できません。広大な移動を伴うため航空券代がかさむ上、開催都市ではホテル代がダイナミックプライシングにより通常時の数倍に跳ね上がることが予想されます。カタール大会など過去の大会と比較しても、ファンの総支出は過去最高額になると見られています。
また、一部の州ではチケットに対する税制優遇措置が取られていることに対し、地元住民への経済還元が損なわれているとして、「FIFAによる搾取」といった強い言葉で批判する報道も見られます。これらの要因が重なり、純粋にサッカーを楽しみたい熱心なサポーターがスタジアムから排除されてしまうのではないかという懸念が広がっています。
入国審査やビザ問題への懸念
トランプ政権下での開催となる今大会では、入国管理やビザの発給プロセスについても大きな注目が集まっています。特にイランやハイチといった、アメリカとの政治的関係が微妙な国、あるいは移民問題の観点から監視対象となりやすい国が出場するため、スムーズな入国ができるかどうかが懸念されています。
選手やチーム関係者については特例で入国が認められる見込みですが、一般のサポーターに関してはその限りではありません。ビザ発給の遅延や拒否が相次ぐ可能性があり、チケットを持っていても入国できないという事態が危惧されています。アメリカの議員からも、官僚的な手続きの遅れ(バックログ)が大会の成功を脅かす可能性があるとの警告が出ています。
さらに、セキュリティ対策として開催都市に州兵や移民税関捜査局(ICE)のエージェントが配備される可能性も指摘されています。これが外国人観光客や特定のコミュニティに対して威圧感を与え、ワールドカップ特有の祝祭的な雰囲気を損なうのではないかという声も上がっています。安全確保と開放的な雰囲気作りをどう両立させるかが、運営側の大きな課題となるでしょう。
サッカーワールドカップ世界の反応総括
記事の締めくくりとして、2026年ワールドカップに関する世界の反応と現状のポイントをまとめます。
- 48チーム制への拡大で試合数が104試合に増加
- 日本が入るグループFはオランダと同居するタフな組
- 日本の突破の鍵はチュニジア戦と欧州PO勝者との対戦
- グループIとLが今回の「死の組」候補として有力
- 決勝トーナメントはラウンド32からスタートに変更
- 優勝予想オッズはスペイン、アルゼンチン、フランスが上位
- トランプ次期大統領の抽選会登壇が政治的メッセージを発信
- 公式マスコットのデザインには「ステレオタイプ」との批判も
- グループ間の移動距離格差が最大で約5倍と著しい不平等
- グループJの移動距離は約1万kmに達しコンディション維持が困難
- チケット価格の高騰により一般ファンの観戦ハードルが上昇
- 入国ビザの発給遅延や拒否が懸念される国が存在
- 開催国メキシコはホームの利を得る好ドロー
- 開催国カナダはイタリア同居の可能性があり厳しい船出
- 運営とロジスティクスが勝敗を分ける重要な要素になる

