2025年のメジャーリーグは、山本由伸投手の歴史的な活躍によって記憶されるシーズンとなりました。ドジャース移籍2年目にして、レギュラーシーズンでの安定した投球はもちろん、ポストシーズン、特にワールドシリーズで見せた姿は「圧巻」の一言です。
「世界一の投手」とチームメイトからも称賛された山本投手の2025年の成績は、まさに球史に残るものとなりました。この記事では、山本由伸投手の2025年シーズンを、レギュラーシーズンの詳細な成績から、伝説となったワールドシリーズMVP獲得の軌跡まで、詳細なデータと登板内容に基づき徹底的に解説します。
この記事でわかること
- 山本由伸投手の2025年レギュラーシーズンの詳細な成績
- ポストシーズンで見せた歴史的な投球内容
- ワールドシリーズMVP獲得に至った圧巻の登板と貢献
- 大谷翔平選手や同僚たちが送った最大の賛辞
山本由伸 2025年 成績(レギュラーシーズン)
- 2025年 レギュラーシーズン成績詳細
- 圧巻の月間MVP(4月・9月)受賞
- 進化した2025年 球種と投球術
2025年 レギュラーシーズン成績詳細
2025年の山本由伸投手は、ドジャースの先発ローテーションの柱として、メジャー2年目のシーズンを戦い抜きました。シーズン序盤から安定した投球を続け、メジャーの強打者たちを相手に確かな進化を示しています。
レギュラーシーズンでは30試合に登板。夏場に一時離脱する期間はあったものの、シーズンを通して見事な成績を残しました。特に注目すべきは、防御率2.49と201奪三振という数字です。これは、ナショナル・リーグでもトップクラスの成績であり、彼の投球がいかに支配的であったかを示しています。
さらに驚異的なのが、被打率.183、被長打率.283、被OPS.539という数値で、これらすべてがメジャートップを記録しました。相手打者にほとんどチャンスを与えない、まさに「打たれない投手」であったことがデータからも裏付けられます。
以下に、2025年レギュラーシーズンの主な成績をまとめます。
| 登板試合 | 勝利 | 敗戦 | 防御率 | 投球回 | 奪三振 | WHIP | 被打率 |
| 30 | 12 | 8 | 2.49 | 173.2 | 201 | 0.99 | .183 |
12勝という勝ち星以上に、防御率やWHIP(1イニングあたりに出した走者数)0.99といった内容面での貢献が光るシーズンとなりました。ドジャースが2年連続で地区優勝を果たす上で、山本投手の安定した投球は不可欠な要素でした。
圧巻の月間MVP(4月・9月)受賞
2025年の山本投手の活躍を語る上で欠かせないのが、シーズン中に2度受賞した「ピッチャー・オブ・ザ・マンス(月間最優秀投手)」です。
1度目はシーズン序盤の3・4月です。この期間、山本投手は6試合に先発し、メジャートップとなる防御率1.06をマーク。メジャーの打者への対応に完璧に適応した姿を見せつけ、自身初の月間MVPに輝きました。
そして2度目は、シーズン終盤の勝負どころである9月です。4試合に先発し、防御率0.67、被打率.081、WHIP 0.67と、4月をも上回る圧倒的な成績を記録。ポストシーズンに向けて最高の仕上がりであることを見せつけました。
日本人投手が同一シーズンに月間MVPを複数回受賞するのは、メジャーリーグ史上初の快挙です。このことからも、2025年の山本投手がシーズンを通して、いかに高いレベルで安定した投球を続けていたかが分かります。
進化した2025年 球種と投球術
2025年の山本由伸投手がメジャートップの被打率を記録した背景には、その投球術の進化があります。メジャー2年目となり、各球種の精度がさらに向上しました。
2025年シーズンの投球データ(割合)を見ると、彼の投球スタイルがよく分かります。
2025年 山本由伸 投球データ
| 球種 | 配分 (%) | 平均球速 (mph) | 平均球速 (km/h) |
| フォーシーム | 35.6% | 95.4 mph | 約153.5 km/h |
| スプリット | 25.4% | 90.9 mph | 約146.3 km/h |
| カーブ | 17.6% | 76.8 mph | 約123.6 km/h |
| カットボール | 11.0% | 91.1 mph | 約146.6 km/h |
| シンカー | 7.5% | 94.8 mph | 約152.6 km/h |
| スライダー | 2.8% | 86.4 mph | 約139.0 km/h |
平均153.5km/hを計測する力強いフォーシームを軸としながらも、最大の武器であるスプリットを4球に1球以上の割合で使用しています。このスプリットは、打者の手元で鋭く落ち、空振りを奪うだけでなく、ゴロを打たせるのにも非常に効果的でした。
また、70mph台の緩いカーブを効果的に使うことで、打者の目線とタイミングを大きく外し、力強い速球とスプリットをさらに際立たせています。カットボールやシンカーといった動くボールも織り交ぜることで、打者は的を絞ることが非常に困難になりました。この多彩な球種と精緻なコントロールこそが、メジャートップの被打率.183という驚異的な数字を生み出した源泉と言えるでしょう。
山本由伸 2025年 成績(ポストシーズン)
- ポストシーズン 圧巻の全登板まとめ
- LCS 完投勝利でWS進出へ
- 歴史的快挙 WS 2試合連続完投
- ワールドシリーズ 3勝で世界一
- 伝説の中0日 胴上げ投手
- 文句なしのワールドシリーズMVP
- 大谷翔平 絶賛「世界一の投手」
- 総括:山本由伸 2025 成績の衝撃
ポストシーズン 圧巻の全登板まとめ
レギュラーシーズンで素晴らしい成績を残した山本由伸投手ですが、その真価が発揮されたのはポストシーズンでした。「短期決戦はエースで決まる」という言葉を、まさに体現する投球を見せています。
ワイルドカードシリーズ、地区シリーズでは勝ち星こそつかなかったものの、リーグ優勝決定シリーズ(LCS)とワールドシリーズ(WS)での投球は、ファンの記憶に深く刻まれました。
特にワールドシリーズでは3試合に登板し、3勝、防御率1.02という、歴史に残る大活躍でチームを世界一連覇へと導きました。2025年のポストシーズン全登板成績は以下の通りです。
| シリーズ | 登板 | 勝利 | 敗戦 | 防御率 | 投球回 | 奪三振 |
| ワイルドカード | 1 | 0 | 0 | 0.00 | 6.1 | – |
| 地区シリーズ | 1 | 0 | 1 | 5.40 | 5.0 | – |
| LCS | 1 | 1 | 0 | 1.00 | 9.0 | – |
| ワールドシリーズ | 3 | 3 | 0 | 1.02 | 17.2 | – |
| 合計 | 6 | 4 | 1 | 1.70 | 38.0 | – |
ポストシーズン合計で4勝を挙げ、防御率1.70と、大舞台での強さを証明しました。
LCS 完投勝利でWS進出へ
山本投手のポストシーズンでの快進撃は、ミルウォーキー・ブルワーズとのナ・リーグ優勝決定シリーズ(LCS)第2戦から始まりました。
この重要な一戦で先発した山本投手は、メジャー移籍後初となる9回3安打1失点の完投勝利を飾ります。111球を投げる熱投で、ブルワーズ打線を完璧に封じ込めました。
ドジャースの投手がポストシーズンで完投勝利を挙げるのは、2004年のホセ・リマ以来21年ぶり、そして日本人投手としてはポストシーズン史上初の快挙となりました。この1勝でシリーズの流れを引き寄せたドジャースは、勢いそのままにワールドシリーズ進出を決めます。山本投手のこの投球が、世界一への大きな弾みとなりました。
歴史的快挙 WS 2試合連続完投
LCSでの完投の興奮も冷めやらぬ中、山本投手はトロント・ブルージェイズとのワールドシリーズ第2戦に先発登板します。そして、ここでメジャーリーグの歴史に残る快挙を達成しました。
山本投手はLCSに続き、またも9回を投げ抜き、105球、4安打1失点で見事な完投勝利を挙げました。ワールドシリーズでの完投勝利は、2015年のジョニー・クエト以来10年ぶりの出来事です。
さらに、ポストシーズンで2試合連続完投勝利を記録したのは、2001年のカート・シリング以来、実に24年ぶりとなる歴史的な偉業でした。異なるラウンド(LCSとWS)での2試合連続完投という、とてつもないスタミナと精神力を見せつけ、ドジャースに貴重な1勝目をもたらしました。
ワールドシリーズ 3勝で世界一
山本投手の活躍は第2戦だけでは終わりません。ドジャースが3勝2敗で迎えた第6戦(敵地トロント)でも先発マウンドに上がります。負ければタイに持ち込まれる重要な一戦で、山本投手は6回5安打1失点と見事に試合を作り、シリーズ2勝目を挙げました。
そして、運命の第7戦。前日に先発したにもかかわらず、山本投手はブルペンで待機します。
前述の通り、第2戦、第6戦での先発勝利に加え、最終第7戦ではリリーフとして登板し、チームを勝利に導く3勝目を手にしました。同一のワールドシリーズで3勝を挙げるという、エースとしてこれ以上ない働きで、ドジャースを球団史上初、そしてメジャー今世紀初となるワールドシリーズ連覇へと導いたのです。
伝説の中0日 胴上げ投手
2025年の山本由伸を象徴する登板が、ワールドシリーズ第7戦でした。前日の第6戦で先発し勝利投手となったばかりの山本投手が、連投となるマウンドに上がります。
場面は4-4の同点で迎えた9回裏、1死一、二塁という一打サヨナラ負けの絶体絶命のピンチでした。ここでマウンドに上がった山本投手は、後続を見事に断ち切り、チームのサヨナラ負けを防ぎます。
勢いに乗ったドジャースは延長11回表に勝ち越しに成功。その裏、山本投手は続投し、1死一、三塁のピンチを招きますが、最後の打者を遊ゴロ併殺打に仕留め、試合終了。山本投手は、中0日でのリリーフ登板で勝利投手となり、胴上げ投手という最高の名誉を手にしました。
この登板は、まさにチームの危機を救うための「志願」の登板であり、彼のチームへの献身性と投手としての大黒柱としての責任感を示すものでした。
文句なしのワールドシリーズMVP
ワールドシリーズでの山本由伸投手の成績は、以下の通りです。
- 3試合登板 3勝0敗 防御率1.02
- 第2戦: 9回1失点(完投勝利)
- 第6戦: 6回1失点(先発勝利)
- 第7戦: 2回2/3 無失点(リリーフ勝利、胴上げ投手)
この圧倒的な成績と、第7戦での中0日リリーフという劇的な貢献により、山本由伸投手はワールドシリーズのMVPに選出されました。
日本選手のワールドシリーズMVP受賞は、2009年の松井秀喜氏(ヤンキース)以来16年ぶり2人目、投手としては史上初の快挙となります。シリーズの流れを変え、最後は自らの手で連覇を掴み取った、まさにMVPにふさわしい大車輪の活躍でした。
大谷翔平 絶賛「世界一の投手」
山本投手の歴史的な活躍を、チームメイトも最大級の言葉で称賛しています。特に、投打でチームを牽引する大谷翔平選手は、第7戦の試合後、興奮気味にこう語りました。
「由伸が世界一の投手だとみんなが思っていると思います」
この言葉は、チームメイト全員の思いを代弁するものでした。また、同じくドジャースでプレーする佐々木朗希投手も「昨日も投げて、今日も投げて…僕たち投手が目指すべき姿」と、先輩の連投を称賛しています。
ロバーツ監督も「史上最高だ!」と手放しで絶賛するなど、山本投手の投球は、チームメイトと監督から絶対的な信頼と尊敬を集めました。大谷翔平選手からの「世界一の投手」という賛辞は、2025年の山本投手の功績を何よりも雄弁に物語っています。
総括:山本由伸 2025 成績の衝撃
最後に、山本由伸投手の2025年シーズンがどれほど衝撃的なものであったか、その要点をまとめます。
- 2025年のレギュラーシーズンは30試合に登板
- 12勝8敗、防御率2.49、201奪三振を記録
- 被打率.183、被OPS.539はメジャートップの数値
- 3・4月に防御率1.06で月間MVPを初受賞
- 9月にも防御率0.67で2度目の月間MVPに輝く
- 日本人投手によるシーズン2度の月間MVPは史上初
- ポストシーズンはLCS第2戦で9回1失点の完投勝利
- 日本人投手としてポストシーズン初の完投を達成
- ワールドシリーズ第2戦でも9回1失点完投勝利
- ポストシーズン2試合連続完投は24年ぶりの快挙
- ワールドシリーズ第6戦でも先発し6回1失点で勝利
- ワールドシリーズ第7戦では中0日でリリーフ登板
- 9回のピンチを救い、延長11回まで2回2/3無失点
- 胴上げ投手となり、ワールドシリーズ3勝目を挙げる
- ワールドシリーズ3試合で3勝0敗、防御率1.02
- 日本人投手として史上初のワールドシリーズMVPを受賞
- 大谷翔平選手から「世界一の投手」と絶賛される

